指導者: 石原 克博  師範

(合気道石芯塾師範、静岡県合気道連盟理事長)

「武道は生死である。だから合気道の稽古を通して、人生感・死生観・哲学等を考え、学び、それを己の血・肉にする為に修行する!

このような事も合気道の本質の一つだと思います!

しっかりと皆さんと一緒に修行して行きたいと思っています。」


地域情報誌『番町瓦版』(2016/05発行)において、石原師範の記事が掲載されました。

 

《まず、相手をよく見てあげること。

   争わず、受け止めることが、調和を生む。》

(石原克博)

文化を味わうことが新しい発見に繋がる

 合気道で大事なことは「礼」です。礼といっても幅が広いですけど、簡単に言えば「ありがとうございます」「お願いします」と自分で表現できること。それが一番大切です。精神面で言えば、合気道の哲学でもある「和合の精神」が大切です。和合の精神を説明するのは少し難しいのですが、簡単に言い換えると、争わない精神という意味です。英語で表現するならば、ラブ&ピース&ハーモニー。

 中学校の必須科目として、合気道をはじめとする武道が取り入れられていますが、その背景には正座の仕方、お辞儀の仕方も含めて伝統と文化を学ぶという意味が含まれていると思います。武道だけでなく、お茶でもお華でも、日本人ならば日本の文化を一度は味わったり、経験したりしないと損。文化を通して新しい発見ができる気がします。

 

稽古は常に相手を見ながら

 有段者には新しい会員の方にとって、「いい稽古相手」になってほしいと思っています。合気道には試合がないので、これが正しいということはないはずです。男性、女性、子供、お年寄り、それぞれの合気道があっていい。理屈じゃなくて楽しく稽古してほしいんです。

 では、いい稽古相手とはどんな相手か。例えば、正しく受け身をしてあげられることもそうです。小さな子供や女性が、体格のいい男性に技をかけるとなると、対等な相手と組むときに比べて難しいときもある。そんなときは「技がきいてないよ」と口で伝えるのではなく、正しく受け身をしてあげること。そうすることで相手は正しい動きを覚えることができますから。反対に男性が子供や女性を本気で投げたら怪我をしてしまいます。常に相手を見ながら稽古をすることです。

 

継続は力なり。わかるときは必ずくる。

 希望をもって稽古をすることが大切だと思っています。「今日わからないことがあっても、もしかしたら明日わかるかもしれない。だから明日も稽古しよう」って、生徒によく言うんです。私だっていまだにわからないことがあるんです。技術的なことも精神的なことも。でも、今日わからなくても、明日わかればいいじゃないですか。希望をもって稽古をしていたら、わかるときが必ずきます。「わからないからや〜めた」ではなくて、わからないからこそ続ける。継続は力なりです。